忍者ブログ

【跡地】Mono-(B)Log 2nd

戸倉/サキガミ が 好き勝手にやっていく blog です。 引っ越しました。

2024.11.23
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2014.01.14
emoji お題でシーン描写練習 http://shindanmaker.com/422584
書きor描きたいキャラ名を入力して下さい。複数(例:◯◯と××)やカップリング名でもOK。お題が出てきたら、文章or絵でかいてみましょう。日々練習!

emoji 【お題】朝の◯◯で/◯◯◯◯◯、[ウィンズムとリネッタ]のシーンをかきましょう。

---

 ある夏の日の早朝。さわやかな朝だった。気温は日中と比べるとだいぶ低い。けれど、それもきっと朝のうちだけ。おそらく今日もよく晴れて昼間は暑くてたまらなくなるのだろう。そんな予感を感じつつ。リネッタは寝ていたテントを抜け出して、大きな水筒を片手に森の中の小道を駆けていた。小道とは言っても、けっこう背の高い草や灌木に覆われていて人間にとってはちょっと通行し辛い「道」だった。進行の邪魔になる藪を避けながら、あるいは強引に突っ込んで突破したりしながら進む。
 やがて、進行方向から水が流れ落ちる音が聞こえてきた。わずかに水の香りというか、水の雰囲気がこちらまで流れてくる。目的地の小さな滝は、もうすぐそこだった。ピピピピ、なんて、頭上の梢から小鳥たちのさえずりが聞こえてきたりして。なかなか良い雰囲気――
「?!」
 リネッタは足元の草か何かに右足を引っかけてしまった。走っていた勢いのまま、身体が空中を飛ぶ。反射的に右手の水筒を手放して地面に両手をつこうと身構えた。身体は地面でバウンドして跳ね上がる。あり得ない高さまで。
「?!」
 ――自分の身に何が起こったのか。自分はただ転んだだけではなかったのか。気がつくとリネッタは、空中にいた。景色が上下逆さまになって、空中でぶらんぶらん揺れていた。頭が下で、足が上……というか、右足首が締め付けられて痛い。バサバサバサ、と鳥たちが一斉に羽ばたいて、遠ざかっていく音。
 ガサッ、と、地上の茂みがかき分けられて。リネッタの良く知っている人物が姿を現した。リネッタは逆さ吊りの状態のまま呆然と見下ろしていた。長い銀色の髪を首の後ろで無造作にくくって。青い野球帽をつばを後ろにしてかぶって。Gパンに黒のタンクトップ一枚という軽装。首から重くて頑丈そうな双眼鏡をかけている。彼はこちらを見上げて、
「……リネッタ…………」
 ものっすごい不機嫌そうな低い声。
 あああ怒ってる……怒ってる……(多分バードウォッチングを邪魔されたからだ)
「ご、ごめんなさい……」
 リネッタはとりあえず謝ってから、
「でも、たっ……助けて……」
 リネッタは空中から、必死の思いでウィンズムに訴えかけた。
「わっ、わたし、何がどうなってこんな目に遭ってるんだか……。とにかく助けて……お願い……。助けてくれなかったらウィンズム……人でなし……だよ……」
 情けなくも声が震えてしまう。リネッタは泣きたくなっていた……というか既に涙はにじみ始めて視界はぼやけかけていた。
「…………ちっ」
 ウィンズムは舌打ちをしてため息をついたようだった。リネッタを見上げて、
「こんな罠に……。……動くなよ」
 ウィンズムはこちらを見上げたまま、数歩あるいて近付いてきたところで何かに足を取られてすっ転び……転んだと見せかけてウィンズムの身体が上空に勢い良くすっ飛ぶのを見て、リネッタの涙は一瞬で引っ込んでしまった。
 そして、数瞬後、リネッタから数メートル離れた空中で、ウィンズムが片足を吊り上げられて逆さまになって揺れていた。……なんともシュールな光景だった。
「えっと……」
「…………」
 ウィンズムの表情は良く見えない。というか、
(こ、こわくて見れない)
 見えないのはある意味幸いなことだと思う。
「ど、どうしようか……あ、あはは……」
 リネッタとしてはもう、笑うしかなかった。ええいもう、こうなったら、なるようにしかならないからどうにでもなれ。
 ウィンズムがリネッタのほうを向いた。目が合って、リネッタは引きつった笑みを浮かべた。ウィンズムは無言無表情で、右手をリネッタのほうに差し出してきた。
「?」
 リネッタも右手を伸ばす。ウィンズムの右手がリネッタの右手を捕まえる。ぎゅ、と握られる。
「……?」
「…………」
 そのまま。二人で逆さまになって空中で手をつないだまま、時間だけが流れていく。
(……ウィンズムの手って……意外と大きいな。あたたかいな)
 リネッタの頬が熱くなってくる。……いや、顔全体が、頭全体が熱くなってくる。全身の血液が頭に集まってくる。
「……この状況でじたばたしたって、体力を消耗するだけだからな……」
 ウィンズムの静かな落ち着いた呟きが聞こえてきた。
「う、うん」
 リネッタはうなずいた。いったん頭の中を空っぽにして、大きく息を吸って、吐きだした。

 やがて、二人の背後から、複数の人間が近付いてくる音が聞こえてきた。

(続きません)

---

emoji 【お題】朝の空中で/手をつなぐ、[ウィンズムとリネッタ]のシーンをかきましょう。
 (お題提供 http://shindanmaker.com/422584

 約1802字、原稿用紙換算5枚

---

 この二人は一応、公式カップリングです。今のところリネさんの完全な片想いですが…。イトコ同士だし、この先カプ的な意味でどうなっていくのかは、本当に不明だったりします(笑)
 つうか、「四伝」では完全に脇役だった二人が、何故 番外編(翠の境域)で主役に? この疑問の答えは多分、「四伝」本編では彼らを書き足りなかったから、なのでしょう。ウィンズムが生まれたのって「Personal Quest」のRPG版なのですが、これってバート・リィル・ウィンズムの3人がトリオを組んで大暴れ(ギャグ的な意味で)するお話でしたから…。ウィンズムって本来は、そのくらいの重要ポジションにいるはずだったキャラなのです。
 ……あと普通の女の子代表的なリネさんがすごく書きやすくて楽しかったです(笑)
PR
Post your Comment
Name
Title
Mail
URL
Select Color
Comment
pass  emoji Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Back  :  HOME   :  Next
応援中
サガ3時空の覇者 Shadow or Light

 当サイトに記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の登録商標、もしくは商標です。
 (C) SQUARE ENIX Co., Ltd. All Rights Reserved.キャラクターデザイン:小林 元
PR

    【跡地】Mono-(B)Log 2nd wrote all articles.
    Powered by Ninja.blog / TemplateDesign by TMP  

    忍者ブログ[PR]