【跡地】Mono-(B)Log 2nd
戸倉/サキガミ が 好き勝手にやっていく blog です。 引っ越しました。
2014.01.11
お題でシーン描写練習 http://shindanmaker.com/422584
書きor描きたいキャラ名を入力して下さい。複数(例:◯◯と××)やカップリング名でもOK。お題が出てきたら、文章or絵でかいてみましょう。日々練習!
【お題】冬の寺院で/立ち止まる、[ユーリアとクラリス]のシーンをかきましょう。
書きor描きたいキャラ名を入力して下さい。複数(例:◯◯と××)やカップリング名でもOK。お題が出てきたら、文章or絵でかいてみましょう。日々練習!
【お題】冬の寺院で/立ち止まる、[ユーリアとクラリス]のシーンをかきましょう。
---
(現パロ風味)
お金をかけて。時間をかけて。普段生活している街から遠く、遠く離れた知らない街にやってきた。
古い建物と、そこに根付く確かな歴史と、新しい建物と、うつろう現在が交錯する街――『古都』。たまには日常の営みのループから抜け出してつかの間のトリップを楽しんだって良いじゃない。けして、「そうだ、古都行こう」なんてどこかで聞いたようなフレーズに誘われてというわけじゃない。
季節は、冬。秘庵院《ぴあんいん》の境内の参拝ルートを順路通りに歩く。思ってた以上に人は多かった。休日だけど、冬なのに。若葉の季節でも紅葉の季節でもないのに。
人混みの中を、ゆっくりと歩いている人々を追い越しながら気持ち早足で歩く。雲ひとつないすがすがしい青空――と言えれば良かったのだけれど。雲は見あたらないけれど空の色は真っ青とはいえず、どこかくすんでいた。見晴らしの良い『舞台』から見下ろしてみても、古都の街並はくっきりとは見えずどこかぼやけている。
一部のお堂は修繕中とかで真っ青なブルーシートがかけられていて、寂しげな冬の光景の中で悪い意味で目立ってしまっていた。……まあ、良いけどね。おそらく修繕は、若葉の季節や紅葉の季節を外して行うのでしょう。
せめて雪が積もっていればなあ。多少は風情(とは?)があって良い感じだったのかもしれないなあ。
門。いくつかのお堂。ひかえめな三重の塔。小さな滝……。隣を歩く相方とは、特に言葉をかわさずに歩いている。
階段を上って、小高い丘の上。周囲の風景に溶け込んで地味ながら堂々とした佇まいの大鐘楼があった。大きくて重そうな釣鐘がぶら下がっている。あ、これが、あの有名な、年に二回しか鳴らさないという鐘。さすがに一般観光客には自由に鐘を鳴らさせてくれないようで、鐘楼はしっかりと木製の柵で囲まれていた。皆、少し離れたところから立派な大鐘を遠巻きに見上げている。
「…………」
クラリスが足を止めた。わたしの歩みも自然と止まる。
「へえ、これは……ちょっとしたものね」
「うん」
クラリスは満足そうに大きくうなずくと、首から提げた一眼カメラを手にとった。そして、
「ユーリア」
わたしを見て、ちょっと心配そうに声をかけてきた。
「……寺院巡り、楽しい?」
「楽しいわよ、すごく」
わたしは即答した。
「クラリスは?」
「俺も、もちろん、楽しい」
目を合わせて、ふふっと微笑み合う。
それで良いのだ。
ひと月ほど前。ここに、古都に、クラリスが「行きたい」と言ってきて。冬の寺院の写真を撮りたいからって。わたしに「一緒に行かないか?」って誘ってくれて。
(それを聞いて、わたしがどんな気持ちだったか、クラリスはちゃんとわかってるのかな)
クラリスは一眼カメラを構えて大鐘楼と向かい合っている。真剣なまなざしでファインダーを覗いている。
――そんな彼を、わたしはこっそり写真におさめるべく、鞄の中からコンパクトカメラを取り出した。
---
若い頃の二人。たぶん現パロ。もしくはPQ(卒業旅行)世界。(←わりと何でも有り世界なので)
こんなお題を貰えなかったら書く機会なんてなかっただろうなあ…。楽しかったです。自己満足♪
(現パロ風味)
お金をかけて。時間をかけて。普段生活している街から遠く、遠く離れた知らない街にやってきた。
古い建物と、そこに根付く確かな歴史と、新しい建物と、うつろう現在が交錯する街――『古都』。たまには日常の営みのループから抜け出してつかの間のトリップを楽しんだって良いじゃない。けして、「そうだ、古都行こう」なんてどこかで聞いたようなフレーズに誘われてというわけじゃない。
季節は、冬。秘庵院《ぴあんいん》の境内の参拝ルートを順路通りに歩く。思ってた以上に人は多かった。休日だけど、冬なのに。若葉の季節でも紅葉の季節でもないのに。
人混みの中を、ゆっくりと歩いている人々を追い越しながら気持ち早足で歩く。雲ひとつないすがすがしい青空――と言えれば良かったのだけれど。雲は見あたらないけれど空の色は真っ青とはいえず、どこかくすんでいた。見晴らしの良い『舞台』から見下ろしてみても、古都の街並はくっきりとは見えずどこかぼやけている。
一部のお堂は修繕中とかで真っ青なブルーシートがかけられていて、寂しげな冬の光景の中で悪い意味で目立ってしまっていた。……まあ、良いけどね。おそらく修繕は、若葉の季節や紅葉の季節を外して行うのでしょう。
せめて雪が積もっていればなあ。多少は風情(とは?)があって良い感じだったのかもしれないなあ。
門。いくつかのお堂。ひかえめな三重の塔。小さな滝……。隣を歩く相方とは、特に言葉をかわさずに歩いている。
階段を上って、小高い丘の上。周囲の風景に溶け込んで地味ながら堂々とした佇まいの大鐘楼があった。大きくて重そうな釣鐘がぶら下がっている。あ、これが、あの有名な、年に二回しか鳴らさないという鐘。さすがに一般観光客には自由に鐘を鳴らさせてくれないようで、鐘楼はしっかりと木製の柵で囲まれていた。皆、少し離れたところから立派な大鐘を遠巻きに見上げている。
「…………」
クラリスが足を止めた。わたしの歩みも自然と止まる。
「へえ、これは……ちょっとしたものね」
「うん」
クラリスは満足そうに大きくうなずくと、首から提げた一眼カメラを手にとった。そして、
「ユーリア」
わたしを見て、ちょっと心配そうに声をかけてきた。
「……寺院巡り、楽しい?」
「楽しいわよ、すごく」
わたしは即答した。
「クラリスは?」
「俺も、もちろん、楽しい」
目を合わせて、ふふっと微笑み合う。
それで良いのだ。
ひと月ほど前。ここに、古都に、クラリスが「行きたい」と言ってきて。冬の寺院の写真を撮りたいからって。わたしに「一緒に行かないか?」って誘ってくれて。
(それを聞いて、わたしがどんな気持ちだったか、クラリスはちゃんとわかってるのかな)
クラリスは一眼カメラを構えて大鐘楼と向かい合っている。真剣なまなざしでファインダーを覗いている。
――そんな彼を、わたしはこっそり写真におさめるべく、鞄の中からコンパクトカメラを取り出した。
---
若い頃の二人。たぶん現パロ。もしくはPQ(卒業旅行)世界。(←わりと何でも有り世界なので)
こんなお題を貰えなかったら書く機会なんてなかっただろうなあ…。楽しかったです。自己満足♪
PR
Post your Comment